活動報告

2009年10月、藤沢歯科ペリオ・インプラントセンターの雨宮啓と雨宮花が、日本歯周病学会の歯周病専門医に認定されました。当院における4名すべての歯科医師が日本歯周病学会歯周病専門医として、より専門性の高い治療を提供すべく、皆さまの診療を担当させていただきます。

また2010年2月8日に、院長の雨宮啓が(社)日本口腔インプラント学会の口腔インプラント専門医の認定を受け、当院の2名の歯科医師が口腔インプラント専門医として、皆さまのインプラント治療を担当させていただきます。

藤沢歯科ペリオ・インプラントセンターは、地域医療におけるインプラント・歯周病治療の専門的医療機関としての役割を担うとともに、皆さまが、ご満足いただける診療を提供できるよう、一丸となって邁進していきたいと思います。

皆さまのご来院を心よりお待ちしております。

第45回日本口腔インプラント学会学術大会に参加、講演してきました

第45回日本口腔インプラント学会学術大会2015年9/21-23に、岡山県で開催された第44回日本口腔インプラント学会に参加、講演してきました。
今年のメインテーマは、「健康維持と口腔インプラント治療-口腔インプラント治療のメリットを再考する-」と題して、3日間にわたり、専門医教育講演や、特別講演などの多くのプログラムが組まれていた。学会が取り組むべきテーマは、前週に開催された日本歯周病学会のトピックスとも重なるが、超高齢社会を迎えた日本において、生活の質に直結する口腔機能の向上である。歯を失ったままでは咀嚼機能は低下し、カロリーは充足されるが栄養素不足をきたすことから、高齢者の「食」を基盤とした健康増進や介護予防、虚弱予防に対する学会として取り組みが各セッションでディスカッションされた。インプラント治療は、適切かつ効果的に応用されれば、残存歯の保護効果、複雑な補綴装置の回避、治療の永続性といった口腔内に関連したQOLの向上のみならず、咀嚼機能の回復による健康寿命の延伸といった全身関連のQOL向上に寄与することとなり、歯周病治療による残存歯の保存とあわせて大切な歯科医療分野である。今後は、ますます、歯周病治療による天然歯の保全と、咀嚼機能回復を目的としたインプラン治療を併用したハイブリッド歯科治療が増加していくと思われ、我々としても、この分野の専門医として、皆様に最善の歯科医療を提供していきたいと考えております。

第45回日本口腔インプラント学会学術大会また自身の講演では、ここ数年行ってきた、ピエゾサージェリー(超音波骨切削器具)を用いた上顎前歯部の歯槽骨再生手術に関する臨床知見を報告させていただいた。本術式は、従来型の手術方法と比較して、治療成績が高いだけでなく、手術侵襲が少ないことから合併症リスクが少ないといったメリットがあり、会場の著名な先生方といろいろとディスカッションする機会に恵まれた。新しい先生方とのディスカッションこそが、自分自身の勉強になることを感じさせる学会であった。

2015年は歯周病の研修会に1年間参加し、当院としての歯周病治療に関するアップデートを行い、9月より審美修復治療の研修会に参加させていただいている。こちらではあらためて、修復物(被せもののセラミックス)と歯周組織の安定に関する知識と技術を深める機会となり、皆様により最適な歯周病治療とインプラント治療、そして審美修復治療を提供して参りたいと考えております。

第58回日本歯周病学会・秋季学術大会に参加してきました

第58回日本歯周病学会・秋季学術大会2015年9/12-13に、静岡県浜松市で開催された第58回日本歯周病学会・秋季学術大会に参加してきました。今回は「健康長寿延伸のための歯周病治療 高齢歯周病学の確立に向けて」というメインテーマに沿って、様々なセッションが開催されました。



日本は超高齢社会に突入し、現在では4人に1人が65歳以上である現在、口腔内に残っている歯の本数も増えています。平成23年の歯科実態調査の結果、8020達成者(80歳で20本以上の歯を有する者の割合)は38.3%で、平成17年の調査結果である24.1%から良い意味で増加している一方、4㎜以上の歯周ポケットを有する者の割合が80~84歳で33.3%(2005年)から42.6%(2011年)と有病率が高まっています。歯周病を細菌による感染症ととらえると、歯周病を患っている残存歯(4㎜以上の歯周ポケットを有する)の増加は、高齢者にとって感染リスクとなってしまい、歯周病が命を身近な病態となりうることを示唆しています。ですから、歯がたくさん口腔内に存在するということが大切なのではなく、歯が健康な状態で維持されているということ。さらには、健康な自分の歯で「咀嚼できる」ということは栄養学の観点からはもちろん、咀嚼による脳血流増加、そして、「食」という生きがいの観点から考えても、健康寿命延伸にとってとても大切な要素です。


第58回日本歯周病学会・秋季学術大会藤沢歯科ペリオ・インプラントセンターでは、口腔機能の向上を目指した歯周病治療や口腔インプラント治療はもちろんのこと、食事の摂り方や、その後のメンテナンス(予防歯科)を通じて、皆様の健康維持に貢献してまいりたいと思います。

ノーベルバイオケアフォーラム2015に参加、講演してきました

ノーベルバイオケアフォーラム20152015年8/8-9に、東京・品川で開催されたノーベルバイオケアフォーラム2015に参加、講演してきました。
1965年に臨床応用されたインプラント治療は今年で50周年の節目を迎えるとともに、歯科インプラントは現在まで急速な発展を遂げ、多くの患者様に応用されてきた。本シンポジウムでは、この50周年の節目を迎えたオッセオインテグレーテッド・インプラントの功績と今後と題して、診査診断の重要性やデジタル機器との融合について、低侵襲な術式、審美性の獲得など様々なセッションがプログラムされ、その一つの若手歯科医師によるメインセッションのシンポジストとして講演させていただく機会を頂戴した。今回は、藤沢歯科ペリオ・インプラントセンターで取り組んできたインプラント治療の補綴コンセプトについての特にジルコニアの臨床応用について、お話させていただいた。審美修復治療において欠かすことのできないジルコニアだが、その生体親和性の良さは、他に勝るものが無いのが現状である。ジルコニアの特徴でもある審美性と機械的強度を生かしながら、欠点としてあげられる適合精度や摩耗に関する最新の知見をふまえた、臨床応用の勘所や私なりの見解について講演させていただいた。まだまだ分からない部分もあるが、我々の臨床報告が集積されることで、臨床研究となり、これが基礎研究と相まった多くの論文からレビューとなっていきます。その一つ一つの積み重ねを微力ながらに築いていきたいと思いますし、患者さんにとって、そして、歯科医師にとってもより良い歯科臨床を提供できるように努めてまいりたいと思います。


ノーベルバイオケアフォーラム2015本シンポジウムで講演させていただいたことは、自分自身の知識の整理となるばかりでなく、大変貴重な機会となった。本シンポジウムに推薦していただいた先生方はもちろん、ノーベルバイオケア社の皆様、そして、いつも私の歯科臨床を支えてくださるメンターの先生と、藤沢歯科ペリオ・インプラントセンターのチームメンバーに感謝の気持ちでいっぱいです。この素晴らしいチームで、皆様に、より良い歯科医療を提供して参りたいと思います。

日本臨床歯周病学会第33回年次大会に参加してきました

日本臨床歯周病学会第33回年次大会2015年7/18-19に、宮城県・仙台国際センターで開催された日本臨床歯周病学会第33回年次大会に歯科衛生士とともに参加してきました。 基調講演では、再生治療の基礎となる歯と歯周組織の解剖学と、多くの長期症例を通して「歯周病治療結果の長期安定性」に関する講演を聞くことができた。歯周組織再生療法の成功には、基本的な歯周外科をベースとしたフラップキュレッタージにより歯肉縁下の炎症コントロールを図ることが最も大切で、新しい治療方法や材料に専ら目を奪われがちとなる臨床へ警鐘を提唱される講演内容であった。10年や20年を超える長期にわたる臨床例を拝見して見えてくることは、繰り返しになるが、スケーリング・ルートプレーニングによる歯根面の清掃と骨欠損内の軟組織を除去する徹底した廓清ができているかどうかが、歯周組織再生療法治療成績に大きな影響を与えるということであり、改めてベーシックな手術手技の大切さを感じる機会となった。


日本臨床歯周病学会第33回年次大会また一方で、歯科衛生士と参加した歯科衛生士教育講演では、「歯科衛生士への提言」と題して、エビデンス時代の仕事観として、あえて「手業の心」を見つめ直すしてほしいという趣旨の講演を聞くことができた。現在のような時代背景においては、従来の師弟関係ということではなく、架空の"私淑"を持ち、先達の仕事を徹底的にまねようとし、真似しきれない先で出会う「らしさ」を成熟させていく仕事観を持ってほしいと提言があった。それぞれの時代背景にあわせて、自分の知識や技術といったパフォーマンスを最大化する方法を「柔軟に」模索し、一つの手技であるとか、一つの道具に固執することなく、「らしさ」のある歯科衛生士、「こだわり」のある歯科衛生士として活躍してほしいという内容であった。仕事観という部分でも、「不易流行」の大切さが浮き彫りになり、歯科衛生士はもちろん、歯科医師にとっても、誰にもまねできない「藤沢歯科ペリオ・インプラントセンター」らしさのある歯科医療を「柔軟に」模索しながら、皆様に最適な歯科医療を提供していきたいと考えております。

第58回日本歯周病学会・春季学術大会に参加してきました

第58回日本歯周病学会・春季学術大会2015年5/15-16に、千葉県幕張メッセ国際会議場で開催された第58回日本歯周病学会・春季学術大会に参加してきました。
今回の日本歯周病学会学術大会では「有病者8割に対する挑戦!」をメインテーマに掲げ、有病率低下を目標とした歯周病予防と効果的治療のためのセッションが設けられ、熱い議論となった。今回のシンポジウムの中でも「細胞シート工学と幹細胞を用いた再生医療の歯周組織への応用」と、「歯周病が全身に及ぼす影響・エンドトキシンLPSと生活習慣病」に関するセッションは大変興味い内容であった。最初の再生医療領域のセッションでは、歯根膜由来の細胞をシート状に加工して、セメント質や歯根膜を再生させようという臨床ならびに基礎研究の話題であるが、現在まで10例の移植が臨床の現場で行われ、その中の1症例のケースプレゼンテーションがなされた。通法どおりの歯周病治療であれば、抜歯せざるを得ないような重度歯周病の歯に対して歯根膜シートを移植して治療するのだが、手術後レントゲン所見では、歯周組織である歯根膜やセメント質の再生が確認でき、従来の治療方法では考えられないような素晴らしい移植成功症例であった。今後、歯根膜シートを用いた歯周病治療が可能となる時代がすぐそこまで来ていることを肌で感じることができた。また一方で、歯周病が全身に及ぼす影響という話題は広く知られるようになったが、中でも歯周病菌が産生する毒素のLPSが侵入し、全身の健康状態を増悪させる疾患にエンドトキシンLPS血症がある。歯周病菌が慢性に恒常的に血管に侵入すると、歯周病菌が産生するLPSがごく微量であっても長期にわたって悪さをすることから糖尿病や動脈硬化、慢性腎疾患など種々の生活習慣病の増悪因子となっていることが明らかにされた。さらに最近では、これに高カロリー食が加わると健常人では病的意義の内容なごく微量のLPSに過剰応答し、結果的に慢性炎症を悪化させる機序が非アルコール性脂肪肝炎で発見されたようである。つまり、歯周病の治療をするうえで、口腔内の細菌数を減少させる従来からの治療方法はもちろんだが、それに加えて食事指導も併せて行っていくことが大切であるとあらためて考えさせられました。

藤沢歯科ペリオ・インプラントセンターでは、国民病ともいえる歯周病に対して、歯周病予防と効果的治療のために、歯科医師はもちろん歯科衛生士とともにチーム医療として取り組んでまいりたいと思います。

点滴療法研究会ベーシックセミナーに参加してきました

点滴療法研究会ベーシックセミナー2015年4/18に、東京・三田で開催された点滴療法研究会ベーシックセミナーに参加してきました。
点滴療法研究会では、アンチエイジング(予防医学)や癌治療といった統合医療の実践セミナーが年に何回か開催されている。2009年に、高濃度ビタミンC点滴療法の権威であるDr.RonaldHunninghakeの研修会に参加してから、藤沢歯科ペリオ・インプラントセンターでは、数多くの高濃度ビタミンC点滴療法によるアンチエイジングや癌治療を行ってまいりました。海外では、高濃度ビタミンCによる癌治療の有効性は医学的実証が報告されており、日本では少し遅れているといった現状です。
ビタミンCは血中濃度が200mg/mlになると癌細胞の活動性が約10分の1になり、400mg/mlまであげると癌細胞が高濃度ビタミンCの化学反応により一旦活動が停止する特徴があります。これが高濃度ビタミンC点滴の抗癌作用の一つのメカニズムです。また、ビタミンCは水溶性であることから副作用がほとんどないというのが特徴で、さらに最近では、強力な抗酸化作用によって化学療法(抗癌剤など)に付随する副作用を止める働きがみつかっています。あらゆる癌に適応する価値のある治療方法であり、今後も最新の知見をもとに、高濃度ビタミンC点滴療法を皆様に提供して参りたいと思います。

点滴療法研究会ベーシックセミナーまた一方で、今回のトピックスの一つにパーキンソン病に対するグルタチオン点滴療法の有効性に関する講演があった。健康な人では、脳内の黒質でドーパミンが生成される過程で、活性酸素も同時に生成されるのだが、内因性グルタチオンによって、この活性酸素が除去され、ドーパミン生成に影響を及ぶことがない。しかしパーキンソン病患者では、内因性グルタチオンの低下によって活性酸素が除去できず、ドーパミン生成が低下してしまうという悪循環がおきてしまいます。この活性酸素をグルタチオン点滴療法により除去すると、黒質の障害が改善して、ドーパミン生成が回復することが実験的に証明された。このメカニズムを利用してパーキンソン病を治療しようというのが、「グルタチオン点滴療法」である。
藤沢歯科ペリオ・インプラントセンターでは、マイヤーズカクテル、グルタチオン、高濃度ビタミンCなどの点滴療法を提供するアンチエイジング・癌治療の統合医療センターとしての役割を担ってまいりたいと思います。

第4回日本歯周病学会関東9大学・日本臨床歯周病学会関東支部合同研修会に参加してきました

第4回日本歯周病学会関東9大学・日本臨床歯周病学会関東支部合同研修会2015年3/8に、東京・日本大学で開催された第4回日本歯周病学会関東9大学・日本臨床歯周病学会関東支部合同研修会に参加してきました。
1年に1度、大学病院歯周病科に在籍する先生方と、臨床歯周病学会の会員が集い、お互いの垣根を超えて、歯周病治療に関するディスカッションができる学会である。今回の特別講演は「歯周病患者におけるインプラント治療を考える」と題して、インプラント治療における生物学的配慮にフォーカスをあてた講演となった。インプラント治療そのものは、安全で永続性の高い欠損補綴の一つの治療方法である。しかし、プラークの存在はインプラント周囲に歯周病と類似した特徴を持つインプラント周囲炎を発症することが知られ、その原因として歯周病のリスクファクターである喫煙や糖尿病、そして歯周炎の存在自体がインプラント治療のリスクファクターになりうると報告されている。一方で、歯周炎患者においては、適切な歯周病治療と術後メインテナンスを行うことで、インプラント治療の生存率が向上することがディスカッションされ、さまざまな症例を通して、手術やメインテナンスにおける留意点や生物学的な配慮に関するポイントの解説がなされた。中でも、睡眠時ブラキシズムといって、寝ている間の歯ぎしりは、天然歯であれば、歯周病が重度に進行することが知られており、これはインプラント補綴部位においても同じことがあてはまり、インプラント周囲の炎症の付加的因子になることが示唆されている。わずかな細菌感性が、歯ぎしりという強い外傷が加わると、天然歯やインプラント周囲の歯槽骨にダメージが加わり、炎症が深部へ波及してしまうというもので、プロテクションスプリントという専用のマウスピースでコントロールするべきであるという結論であった。

藤沢歯科ペリオ・インプラントセンターでは、歯周病治療はもちろん、インプラント治療終了後のメインテナンス治療において、睡眠時ブラキシズム(歯ぎしりや食いしばり)から歯や顎関節を守る『プロテクションスプリント』を製作し、皆様に使用していただいております。天然歯はもちろん、インプラント治療においても、適切な噛み合わせのコントロールが、治療を長持ちさせるうえで、とても大切になってきます。

第1回UCLAインターナショナル・エンド・シンポジウムに参加してきました

第1回UCLAインターナショナル・エンド・シンポジウム第1回UCLAインターナショナル・エンド・シンポジウムに参加してきました。
アメリカ・カルフォニア大学ロサンゼルス校(UCLA)歯内療法学講座(根管治療を専門とする研究室)の歯科医師が、①根管形成 ②歯冠修復 ③感染根管治療 ④外科的歯内療法というテーマにそって、一日講演された。主任教授のモー・カン教授からは、口腔内を良い状況で保つためには、もちろんのことだが、診査・診断と予後を考えることが最も大切であって、その中でも根管治療は重要な要素を含んでいるということを何度も強調されていた。各論の内容で興味深かったことを少し記載すると、根管内に存在する細菌除去にはNi-Tiロータリーファイルの使用は重要ではあるが、使用方法を間違えるとファイルの破折につながることから、慎重に治療を進める必要があり、ファイルの先端ではなく側面を使用して、先端を引っかけないことが破折防止につながるのだという臨床の疑問点に答えられていた。また、当院でも使用しているマイクロスコープに関するコメントもされ、最初は12.5倍で根管口を探索し、その後20倍で根管内を見るという先生のプロトコールを説明し、このマイクロスコープの使用により根管治療の成功率は90%以上となり、使用しない場合は40%程度にとどまることから、マイクロスコープの使用は必須である旨について講演されていた。

藤沢歯科ペリオ・インプラントセンターでは、マイクロスコープとNi-Tiロータリーファイルは、根管治療をするうえで必須の器材であり、今回その詳細な使用方法について再確認することができた。欧米で行われている根管治療専門医と同じようなプロトコールを、皆様に提供できるよう、取り組んでいきたいと考えております。

第19回米国歯科大学院同窓会(JSAPD)公開セミナーに参加してきました

第19回米国歯科大学院同窓会(JSAPD)公開セミナー2015年1/11に、東京・虎の門ヒルズで開催された第19回米国歯科大学院同窓会(JSAPD)公開セミナーに参加してきました。
今年のテーマは「天然歯を守るための知識と技術」と題して、各分野の専門医が天然歯の保存にフォーカスをあてた講演となった。天然歯の80%は、齲蝕と歯周病によって抜歯にいたるというのは、日本でも世界各国でも、同じような統計結果が出ており、齲蝕と歯周病の進行をどうすれば防げるのか?ということが、重要な課題となるわけである。予防歯科の先進国であるスウェーデンにおけるカールスタッドスタディに、ヒントがあるようだ。そこでは、すべての齲蝕に対して治療介入し、被せものと歯に隙間がないように口腔ない環境を改善した後に、①1年に1回のみの検診を受けるグループと、②専門の歯科衛生士が3か月に1度のメインテナンスプログラムを行ったグループに分けて、3年間調査した結果、その後の歯の治療介入に至った本数に明らかな差がでたと報告している。1年に1回のみの検診グループでは、4本程度の治療介入があった一方で、専門の歯科衛生士による3か月に1度のメインテナンスプログラムを行ったグループでは0.3本の治療のみで、その差が10倍にもなったという報告であった。また、この専門の歯科衛生士によるメインテナンスプログラムを受診したグループを、「歯の喪失率」という側面から検討すると、実に0.02本/年の歯の喪失率になるという結果であった。これは、100年に2本の歯を失うという計算になる。天然歯を守るためには、適切な歯科治療を行うことはもちろん重要な側面だが、それ以上に、治療後の「3か月に1度の専門的の歯科衛生士によるメインテナンスプログラム」が大切かということが理解できる報告である。

藤沢歯科ペリオ・インプラントセンターでは、適切な歯科治療をうけていただくことはもちろんですが、治療したらそれで終わりということではなく、せっかく治療した歯がなるべく齲蝕にならないように、あるいは歯周病が進行しないよう、治療が一段落した後の「専門的な歯科衛生士による予防プログラム」を受診していただきたく思います。今年前半は、昨年に引き続き、「歯周病治療」に関する学会や研修会を中心に研鑽を積んでおります。また新しい情報や知識を皆様に提供できるよう、チーム一同臨床に携わってまいりたいと考えております。

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